party06高千穂森の会

一代で育てた森を、悠久の森に

高千穂押方、標高722メートルの鳥屋岳の山腹に完璧に手入れされた美しい森がある。理想の森林を目指して『鳥屋岳悠久の森』を作ってきたのが興梠幸男さんだ。

六十年前に親から受け継いだ山。雑木はパルプ材として伐り出し、くぬぎは椎茸の原木に利用し、伐採した後に杉を植林してきた。木材価格が低迷して、放置される森林が多くなる中でも、間伐や枝打ち、下刈りを繰り返して理想の森に近づけて来た。適切に間伐された杉の森には陽が差し込みクマガイソウやキレンゲショウマといった希少植物が自生し可憐な花を咲かせる。

 

興梠さんは平成16年「高千穂森の会」を組織、森の美しさと永い時間をかけて森林環境を整えていく事の大切さを次の世代に伝えようとしている。平成三十一年には緑化推進運動功労者として内閣総理大臣賞も受賞した。  興梠さん自らが六十年前に植えた杉は今、真っすぐに天に向かって立っている。

 

「これからまだ百年以上、間伐を繰り返しながら、この森を悠久の森として残していきたい。」

樹木のあいだの空を見上げる視線は、その先の遠い未来をも見据えているようだ。

 

高千穂森の会(会員11名)

会長:興梠 幸男 〒882-1102 宮崎県西臼杵郡高千穂町押方4520 電話・FAX:0982-72-5637