森と人を繋ぐための活動。
メープルシロップも一つの“表現”です。
「フォレスト」は森、「マントル」は「覆う」という意味。森林をとりまく環境の変化に伴って生態系も変化し、このままでは未来につなぐ森は残せない状況にある中で、大崩山の南西に位置する上鹿川集落で、現事務局の西京子さんを中心に地元の有志たちと立ち上げたのがフォレスト・マントル上鹿川だ。森の恩恵の中で生きてきた我々人間が今、森を慈しみ、マントで覆うように森林を守っていく、そんな思いを名前に込めた。
その活動の一つが森林保全。国有林内にある原始の杉「鬼の目杉」周辺に防鹿ネットを設置し、守る活動の他、高齢化によって整備されなくなった民有林の保全にも取り組んでいる。
森を守る活動は多くのマンパワーを必要とする。もともと小さな集落で高齢化も進んだ上鹿川では、いかに他所から関わりを持ってくれる人を増やすかが課題となる。そこでメンバー達が取り組んでいることは森林資源を新しい形で活用し、多くの人に興味を持ってもらうこと。鹿川の木で作った楽器ライヤーも、チェーンソーアートもその一つ。林業体験キャンプや環境学習キャンプでは、子どもや大学生達に森林と関わる楽しさ、大切さを伝えている。
鹿川の森に多くあるイタヤカエデの樹液から作るメープルシロップは、集めた樹液を60分の1まで煮詰めるという貴重なもの。パッケージに上質なデザインをほどこして、上鹿川や森のブランド発信に貢献している。集落の住人たちに「年金+3万円の収入を」というキャッチフレーズで森林資源の活用にも取り組んでいるが、それだけが目標ではない。
フォレスト・マントル上鹿川が目指すのは、多くの人が森林と関わり、樹々が健全に生まれ変わりながら保たれていく事。メープルシロップもその為の一つの表現にすぎない。
二月のある日、メープルシロップづくりの体験会には地域外から若い世代が幾人も参加していた。新しい表現の仕方で森と人をつなぐ、フォレスト・マントルの挑戦はつづく。
フォレスト・マントル上鹿川(会員22名)
会長:戸髙 正男 事務局:西 京子 〒882-0231 宮崎県延岡市北方町上鹿川申739-1
携帯:(戸髙)080-1761-8852 (西)090-1875-5978